本人確認なしでお金を借りるのは難しい｜必要書類の準備が難しい時の対処法

お金を借りる際に行われる本人確認は、主に本人確認書類の提出と電話連絡の2パターンです。なお、本人確認書類の提出をせずにお金を借りることはできませんが、電話による本人確認については必要ない場合もあります。

この記事では、本人確認をせずに借入が可能なのかについて、また、本人確認書類として認められている書類についても解説します。

本人確認なしでお金を借りることはできない

先にも触れましたが、本人確認を行わずにお金を借りることはできません。

ただし、消費者金融業者などからの電話連絡による本人確認は、行われない場合もあります。まずは、本人確認の目的について確認し、電話連絡による本人確認が行われない場合についても説明します。

金融機関以外からの借入の場合は例外

友人や家族などからお金を借りる場合は言うまでもなく本人確認は不要です。しかし、金融機関などからお金を借りる場合は、必ず本人確認が行われます。

もし、貸金業者を名乗っていながら契約時に本人以外の情報（親族などの必要以上の情報）を必要以上に確認してくる場合、その企業は違法業者である可能性が高いです。

本人確認は法律によって義務付けられている

資金の貸し手が融資の際に本人確認を行うことは、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」によって義務付けられています。

この法律では、特定事業者（クレジットカード会社・金融機関・貸金業者など）が取引を行う際は、顧客に対して「取引時確認」といった法的義務を課しています。具体的に、取引時確認では以下の項目を確認しなければいけません。

上記はすべて、借入の際に確認が求められる事項です。そのなかに「本人特定事項」とありますが、これが本人確認のことを指します。

「電話連絡による本人確認」は省略される可能性がある

借入の際に行われる本人確認では、身分証明書による確認に加え、電話連絡によって行われる場合もあります。

電話連絡による本人確認では、申込の際に記入した電話番号（携帯電話や自宅及び勤務先）宛に電話があります。電話による本人確認は、申込者が本人であることの確認や申込の意思があるかどうかを再確認するために行われます。

電話による本人確認は、必ず本人が電話にでられるとは限らないこともあり、できれば避けたいという意見もよく聞かれます。そのような場合は、電話連絡が行われないカードローンなどへの申込を検討することも一つの方法だといえます。

ちなみに、SMBCモビットの「WEB経由の申込」であれば、原則電話連絡を行わずに契約が可能です。身分証明書や健康保険証の提出は必要となりますが、電話連絡を避けたい方はぜひご検討ください。

本人確認書類として認められるもの一覧

本人確認書類として一般的に認められている書類は以下のとおりです。

お金を借りる際に本人確認が行われる3つの目的

お金を借りる際に必ず本人確認が行われる目的は、以下のとおりです。

なりすましを防止するため

本人確認を行う目的のひとつに、なりすましの防止が挙げられます。たとえば、自分とは全く関係のないAさんの個人情報を入手し、カードローンへ申込をしたとしましょう。

もし、本人確認をせずに融資が行われれば、自分とは全く関係のないAさんの名前でお金を借りることも可能になってしまいます。逆もあり得るため、たとえば全く知らない第三者が自分自身の名前でお金を借りてしまうかもしれません。

このような状況を回避するためには、公的な身分証明書などによる本人確認が必要です。

貸倒リスクを回避するため

本人確認には、貸倒リスクを回避する目的もあります。貸倒リスクとは、貸したお金が返ってこない可能性のことです。

たとえば、お金を借りたいAさんが、全く自分とは関係のないBさんの個人情報を利用して、カードローンを契約して借入をしたとします。もし、Aさんがお金を返さなければ、カードローン会社は登録情報を元にBさんへ請求を行います。

しかし、Bさんは自分でお金を借りた記憶がないため「お金を借りた記憶はないため、返済はできません」となるでしょう。そうなると、カードローン会社は誰にも請求することができません。

自分の個人情報を無断で使われてしまったBさんには一切の責任がないため、カードローン会社が貸倒損失として処理するしかありません。このようなことが起こってしまわないよう、カードローン会社は本人確認を必ず行い、また本人の意思を確認します。

犯罪行為防止のため

借りたお金が犯罪行為に使用されたり、テロ組織に資金が流入したりするなど、様々な犯罪的リスクを回避するために本人確認を行います。

また、カードローン利用時の本人確認は「犯罪による収益の移転防止に関する法律」という法律によっても定められています。

本人確認書類の用意が難しいときの対処法

運転免許証やパスポートなど、一般的に本人確認書類として利用されているような書類を用意できない場合は、マイナンバーカードや健康保険証の利用をご検討ください。

マイナンバーカードなら誰でも発行できる

政府が発行するマイナンバーカードを用意すれば、本人確認書類として利用することができます。発行方法として、マイナンバー通知カードに添付されている申込書から申込をするほか、アプリ、証明写真機を介して発行する方法などがあります。

もし、通知カードを紛失したなどの理由から自分のマイナンバーがわからない人は、「マイナンバー入りの住民票」を取得すれば確認できます。

なお、マイナンバーカードが発行されるまでに、1か月〜2か月程度の時間がかかるため、今後借入予定がある場合は早めに申込しましょう。

健康保険証＋補助書類で借入可能

健康保険証も本人確認書類として認められます。健康保険証であれば、ほとんどの人が所有しているはずです。そのため、運転免許証などの本人確認書類の用意が難しくても、代わりに利用できる可能性があります。

なお、健康保険証は顔写真の記載がないこともあり、健康保険証を本人確認書類として提出する場合、補助書類の提出を求められる場合があります。

本人確認書類を提出する際の注意事項

本人確認書類を提出する際は、以下の点に注意してください。

最新の情報であること

本人確認書類を提出する際は、提出時点の最新情報であることと、その情報に誤りがないことを確認してください。

転居により住所が変わった、結婚により姓が変わったなどの場合は、必ず最新の情報に更新しておきましょう。また、借入の申込時に記載する申込書なども最新の情報を入力するようにしてください。

情報に誤りがあると、審査に影響が出たり、借入できなくなくなったりする可能性があります。

提出書類は内容が鮮明に確認できる状態で提出すること

本人確認書類を提出する際は、記載されている文字など、内容が鮮明に確認できる状態かどうかを確認しておきましょう。たとえば、生年月日や氏名の部分が擦れて消えかかっていたり、画像が不鮮明で確認できなかったりすると、本人確認書類の再提出が必要になります。

再提出となった場合、審査完了までに時間がかかったり、即日融資を受けられなかったりなど、様々な影響を及ぼす可能性があります。本人確認が完了しなければ、契約ができないため、確認をした上で提出するようにしてください。

よくある質問

Q.本人確認はどのように行われますか？

A.本人確認の方法は借入先によって異なります。

本人確認は専用のアプリやWEB上で、カメラ撮影した本人確認書類をアップロードする方法、無人契約機を使って提出する方法などがあります。また、クレジットカードによる借入など、カードが発行され、自宅に送られてくる場合は本人限定受取郵便により、本人が受け取ることで確認を行うといった方法もあります。

実際にどのような方法で本人確認が実施されるかについては、借入先により異なるため、事前に確認するようにしてください。

Q.少額の借入でも本人確認は行われますか？

A.少額の借入でも本人確認は行われます。

本記事で解説したとおり、お金を借りるための契約をする際には、かならず本人確認書類を提出しなければいけません。これは、借入金額に関わらず行われるものです。

そのため、少額の借入であっても申込の際には、かならず本人確認が行われます。

Q.身分証を提示すれば電話による本人確認はなしにできますか？

A.電話による本人確認をなしにできる可能性があります。

申込の際に行われる本人確認は、本人確認書類に加えて電話連絡により行われることがあります。

しかし、電話連絡による本人確認は申込者全員に必ず行われるものではないため、回避できる可能性はあります。一部の消費者金融では「原則電話連絡なし」といった申込方法も準備されています。そのため、電話連絡を避けたい場合は「WEB経由の申込」をご利用ください。

また、職場への在籍確認を行うための電話連絡も回避できる可能性があります。これは、本人確認とは異なりますが、「職場への電話連絡を回避したい」という人もぜひ「WEB経由の申込」の利用をご検討ください。

Q.住民票を本人確認書類として提出することは可能ですか？

A.住民票は本人確認書類として認められていません。

本人確認書類として認められているものは、一般的に以下のとおりです。

運転免許証やマイナンバーカードなどであれば顔写真も掲載されているため、本人確認書類として有効です。いずれの書類も保有していない場合は、健康保険証を提示しましょう。

健康保険証を紛失しているなどの理由で手元にない場合は、マイナンバーカードの発行を検討してはいかがでしょうか。申請から1か月〜2か月程度で取得できます。

なお、パスポートについては2020年2月4日以降に申請されたパスポートは住所記載欄等がないため、本人確認書類としてお取り扱いできないため、それ以前に発行されたものが対象です。

Q.お金を借りる際、本人確認書類以外に必要なものはありますか？

A.収入証明書類の提出が必要になる場合があります。

収入証明書類は、以下に該当する場合に提出が必要になります。

すでに他社借入が50万円あり、新たな業者で60万円を借りたい場合は、複数社から合計100万円を超える借入を希望することとなり、収入証明書の提出が必須となります。また、初めての借入申込であった場合にも、希望金額が50万円を超える場合も同様です。

上記いずれに該当しない場合であっても、審査を行う上で「必要である」と判断された場合は、提出が必要になる可能性があります。