繰り上げ返済を活用してカードローンを賢く返済するコツ|お得になる利息計算の考え方
この記事の監修者
高橋 孝治
貸金業務取扱主任者有資格者・国会議員政策担当秘書有資格者・法学博士
みんなのモビット担当
貸金業務取扱主任者の資格を保有する金融領域に関しての専門家。専門知識を活かしマネーに関するあらゆる相談に対応。また、金融の資格に加え、行政書士や特定社労士の資格も保有し、「法学博士」取得の法学研究者でもある。多岐にわたる知見を活かしあらゆる法律を研究するなど活躍中。
繰り上げ返済とは、毎月決められた返済額(約定返済額)以上の返済を随時で行うことです。繰り上げ返済により、完済までの期間が短縮されたり、支払利息が軽減したりするなどのメリットがあります。
この記事では、繰り上げ返済を行うメリットや、繰り上げ返済を行うことで実際にどの程度減額効果があるのか、具体例を用いて解説します。
コラムの目次
繰り上げ返済とは最低返済額以上の返済を行うこと
繰り上げ返済とは、あらかじめ定められている最低返済額(約定返済額)以上の返済を行うことを意味します。
似たような言葉に、「随時返済」がありますが、意味合いは一緒のため、この記事内では「繰り上げ返済」に統一して使用します。
カードローン商品の多くは、いつでも繰り上げ返済を受付しているため、まとまった資金があるときや、臨時収入があったときなど、資金的に余裕がある場合には積極的な繰り上げ返済を検討しましょう。
カードローンの繰り上げ返済を行うメリット
カードローンの繰り上げ返済を行うメリットについて見ていきましょう。
繰り上げ返済を行うと、借入当初の返済計画よりも短い期間での完済が可能になります。また、返済期間の短縮に伴い、利息も軽減できることがメリットです。
繰り上げ返済のメリットについて、それぞれ詳しく解説します。
完済までの期間が短縮される
積極的な繰り上げ返済により、完済までの期間が短縮されます。今回は、SMBCモビットの返済シミュレーションを使用し、借入利率15.0%における、約定返済金額ごとの、返済月数について見ていきましょう。
たとえば、100万円を年率15.0%で借入し、毎月26,000円の約定返済額であったとします。この場合、完済までにかかる期間は53か月です。
毎月の返済金額 | 26,000円 |
最終回の返済金額 | 19,743円 |
返済月数 | 53か月 |
一方、毎月の返済額に4,000円を追加して3万円ずつ返済をしていたとしましょう。この場合、完済までにかかる期間は44か月です。
毎月の返済金額 | 30,000円 |
最終回の返済金額 | 11,674円 |
返済月数 | 44か月 |
このように毎月4,000円ずつ繰り上げ返済をするだけ、返済期間が9か月も短縮されます。
また、毎月の返済額はそのままで、ある程度まとまった資金ができたときに繰り上げ返済を行うことも効果的です。
※シミュレーションにおいて算出される結果は、参考値となります
利息の軽減により総支払金額が軽減される
利息は、元金に一定の利率を乗じて算出されるため、元金が減れば、利率が変わらなくても利息は減額されます。
- 利息の計算式
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利息=借入残高(元金)×金利(年率)÷365日(うるう年の場合は366日)×返済日までの借入日数
たとえば、年率15.0%で100万円を借りていた場合で、毎月26,000円ずつ支払った場合の利息の総額は「371,743円」です。一方、毎月4,000円ずつ追加で繰り上げ返済をした場合(3万円ずつ返済した場合)の利息は「301,674円」です。
毎月少しずつでも繰り上げ返済を行うことにより、このケースでは総利息額で7万円以上の差が発生することになります。
また、一時にまとまった資金を繰り上げ返済を行った場合でも、総利息額は軽減されます。
このように、積極的な繰り上げ返済は利息額を大幅に軽減できるため、大きなメリットになります。
【シミュレーション】繰り上げ返済で利息はどのくらい減るのか
次に、借入金額を30万円・50万円・100万円に設定し、それそれについて繰り上げ返済を行うとどのくらい利息が減るのかについて具体的に計算していきます。
なお、以下のとおりに条件を設定します。
金利 | 年率15.0% |
約定返済額/借入金額 | 30万円(11,000円) 50万円(16,000円) 100万円(26,000円) |
返済方式 | 借入後残高スライド元利定額返済方法 |
繰り上げ返済額 | 毎月+5,000円 |
借入金額30万円の場合
30万円の借入金を毎月11,000円ずつ返済した場合の返済期間、総支払金額は以下のとおりです。
返済期間 | 総利息額 | 総支払金額 |
---|---|---|
2年10か月 | 69,150円 | 369,150円 |
毎月5,000円ずつ繰り上げ返済をした場合
返済期間 | 総利息額 | 総支払金額 |
---|---|---|
1年10か月 | 43,982円 | 343,982円 |
※繰り上げ返済のタイミング次第で利息金額は変動するため、目安としてお考えください
借入金額50万円の場合
50万円の借入金を毎月13,000円ずつ返済した場合の返済期間、総支払金額は以下のとおりです。
返済期間 | 総利息額 | 総支払金額 |
---|---|---|
4年5か月 | 185,852円 | 685,852円 |
毎月5,000円ずつ繰り上げ返済をした場合
返済期間 | 総利息額 | 総支払金額 |
---|---|---|
2年11か月 | 118,022円 | 618,022円 |
※繰り上げ返済のタイミング次第で利息金額は変動するため、目安としてお考えください
借入金額100万円の場合
100万円の借入金を毎月26,000円ずつ返済した場合の返済期間、総支払金額は以下のとおりです。
返済期間 | 総利息額 | 総支払金額 |
---|---|---|
4年5か月 | 371,743円 | 1,371,743円 |
毎月5,000円ずつ繰り上げ返済をした場合
返済期間 | 総利息額 | 総支払金額 |
---|---|---|
3年6か月 | 288,219円 | 1,288,219円 |
※繰り上げ返済のタイミング次第で利息金額は変動するため、目安としてお考えください
よくある質問
Q.繰り上げ返済後に約定返済日は変更されますか?
A.カードローン会社によって異なります。
カードローン会社によって対応が異なるため、繰り上げ返済をした後の新たな返済日は、各カードローン会社に確認するようにしてください。
たとえば、SMBCモビットの場合は、口座振替型とATM返済を選択できます。口座振替の場合、毎月、5日・15日・25日・末日の中から選択できます。あらかじめ選択した返済日以外の繰り上げ返済も可能ですが、約定返済日は更新されません。
ただ、ATM返済型の場合は、翌月の約定返済日に変更される場合があります。たとえば、前回(先月)の約定返済日から、次(今月)の約定返済日までの間で繰り上げ返済をした場合、その月の約定返済はなく、翌月の返済日まで更新されます。
また、カードローン会社によっては「最後の返済日から◯日後」と定めている場合もあります。この場合、返済日が更新される可能性があります。
Q.繰り上げ返済はいくらでもよいのですか?
A.多くの場合、カードローンの繰り上げ返済額はいくらでも大丈夫です。
カードローンを繰り上げ返済する場合、返済方法によっては下限(1,000円以上など)が定められている場合があります。また、上限は借入残高になります。
その範囲内であれば、基本的に繰り上げ返済の金額は定められていません。
Q.繰り上げ返済はどのように行えばよいですか?
A.繰り上げ返済の方法は、各カードローン会社の規定によります。
たとえば、ATM返済やインターネット返済、振込返済などの返済方法に対応している場合は、そのいずれかの方法を選択できます。
まとめ
- カードローンはSMBCモビットをご検討ください
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約定返済額以上の返済を行うことを、「繰り上げ返済」といいます。繰り上げ返済を行うことによって、返済期間が短縮されたり、利息の減額効果により総支払金額が減少したりするメリットがあります。
繰り上げ返済は、毎月数千円程度でも効果があるので、余裕がある月やボーナスが入った月などは積極的に繰り上げ返済を活用していきましょう。
約定返済額は各社によりそれぞれ規定されています。毎月、この約定返済額を支払えばよいのですが、積極的な繰り上げ返済により、効率的な返済ができるでしょう。
SMBCモビットでは、ローソン銀行ATMやセブン銀行ATM、インターネットや振込など様々な方法により繰り上げ返済を行うことができます。カードローンの利用を計画されている方は、ぜひSMBCモビットをご検討ください。
監修者コメント
高橋 孝治
賃金業務取扱主任者 みんなのモビット担当
返済期間の長さは、利息額を計算する上で非常に重要になります。短期間で返済できるほど、利息を大きく抑えることができるので、繰り上げ返済ができる時は、積極的に活用していきましょう。