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個人間融資は違法となる可能性が高い|正規の消費者金融を利用した借入方法を解説

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この記事の監修者

高橋 孝治

貸金業務取扱主任者有資格者・国会議員政策担当秘書有資格者・法学博士

みんなのモビット担当

貸金業務取扱主任者の資格を保有する金融領域に関しての専門家。専門知識を活かしマネーに関するあらゆる相談に対応。また、金融の資格に加え、行政書士や特定社労士の資格も保有し、「法学博士」取得の法学研究者でもある。多岐にわたる知見を活かしあらゆる法律を研究するなど活躍中。

SNSなどを介して行われることが多い個人間融資は、貸金業法や出資法といった法律に抵触する可能性があります。

万が一、違法な貸付には貸付を行った者が処罰されるだけでなく、借りたほうも法外な利息請求や、厳しい取り立てを受けるなどのリスクがあります。

この記事では、個人間融資が違法となるケースやその危険性について詳しく解説します。

個人間融資が違法となるケース

銀行や消費者金融など金銭の貸付を本業としている法人からではなく、個人から借入する場合でも、以下に該当すると貸金業法や出資法違反となる可能性があります。

法律に違反した場合は、当然、処罰の対象となります。「知らなかった」では済まされないので十分に注意してください。

貸金業法

貸金業法とは、クレジットカード会社や消費者金融業者など、ローンサービスを提供している企業に適用される法律です。悪質な貸金業者から消費者を守るために、さまざまな規制が設けられています。l

出資法

出資法とは、出資の受け入れや金銭の預かり業務、金利を規制する法律です。出資法により上限金値が定められているということは、耳にしたことがあるかもしれません。

反復継続的に融資を行う場合は「貸金業登録」が必要

反復継続的に貸金を生業として行う場合は、貸金業登録を行わなければいけません。

反復継続的というのは何度も繰り返し貸付を行い、利益を得ている状態です。また、仮に反復継続的に貸付を行っていなくとも、その意思がある場合には貸金業登録を行わなければいけません。

たとえば、SNSなどを介して個人間融資を行っているようなケースでは、その内容について反復継続性や、事業性が認められた場合には貸金業登録が求められます。もし、貸金業登録を行っていない場合は、貸金業法違反として処罰対象になります。

ただし、家族や知人からお金を借りる場合であって、その行為が一時的であると認められる場合、貸金業登録は必要ありません。なぜなら、家族や知人からの借入には反復・継続性や事業性がないと判断されるからです。

年率109.5%を超えた貸付を行った場合

金融業者からの借入と、友人などからの借入とでは、出資法上の上限金利は異なります。個人間融資の場合は、年率109.5%を超えて貸付したり、当該金利を超える契約を締結したりした場合、出資法違反になります。

参考:出資法|第5条(高金利の処罰)

たとえば、友人に「10日後に1万円プラスにして返すから10万円貸して欲しい」と相談をして10万円を借りたとしましょう。10日後に11万円にして返済した場合、10日で1割の利息が発生していることになります。

年率に換算すると365.0%になるため、お金を貸した友人は出資法に違反したことになります。

個人から借入する場合であっても、資金の貸し手が個人として単発的に行っているのか、反復継続的に業として融資しているのかによって上限金利は変わります。個人間融資を行う場合は、借入利率を把握し、違法性がないかどうかを判断してください。

なお、利率の上限を定める法律は、出資法以外にも利息制限法があります。利息制限法では、借入金額に応じて以下のとおり上限利率を定めています。

借入金額上限利率
10万円未満20.0%
10万円以上100万円未満18.0%
100万円以上15.0%

参考:利息制限法|第1条(利息の制限)

利息の計算式

利息=借入残高(元金)×金利(年率)÷365日(うるう年の場合は366日)×返済日までの利用日数

利息制限法で定める上限利率を超えて契約をした場合、超えた部分のみ無効となり、返済義務を負いません。ただし、利息制限法を超えても罰則はないため、貸付を行った者が処罰されることはありません。

出資法における上限金利を超えた場合は、その契約自体が無効となります。そのため、支払い過ぎた利息はもちろん、元金部分の返済義務も負いません(ただし、初めから返済の意思を持たずに契約を締結した場合は除く)。

参考:金融庁|最高裁判所平成20年6月10日判決の概要

また、出資法違反の罰則として、貸付を行った者は5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科されます。

監修者コメント

高橋 孝治

賃金業務取扱主任者 みんなのモビット担当

個人間融資は後のトラブルに発展するケースも多く、実際にSMBCモビットにもそうした相談が寄せられたケースもあります。家族や知人以外からの借入には十分に注意してください。

個人間融資を受ける際の危険性とは

個人間融資は違法となる可能性が高く、借入するにあたって以下のような危険性があります。

個人間融資の危険性

  • 法外な利息を請求される
  • 違法な取り立て行為を受ける

個人間融資と謳って融資を行う者の中には、違法業者が紛れ込んでいる場合が多々あります。

法外な利息を請求される可能性がある

個人間融資を行っている人の中には、貸金業法や出資法、利息制限法といった適用される法律についての知識を十分に理解していない人もいます。そのような人からお金を借りると、法外な利息を請求される可能性もあります。

特に、SNSなどを介して個人間融資で広く集客している人の中には、悪意のあるものも潜んでいます。

そのような業者からお金を借りてしまった場合は、法外な利息を請求されるだけにとどまらず、さまざまな被害を受ける恐れがあります。自分のみならず、家族や周囲の人にも迷惑をかけることもあるため、注意が必要です。

違法な取り立てを受ける可能性がある

個人間融資でお金を借り、法外な利息を請求されて返済ができなかった場合、違法な取り立てや嫌がらせを受ける可能性があります。

そもそも、貸金業法では、取り立て行為についても以下のとおり規制しています。

取り立て行為の規制

  • 正当な理由なく不適当な時間帯(21時〜8時)に電話をしたり、訪問したりする行為
  • 債務者(お金を借りている人)が申し出た時期・時間以外の取り立て行為
  • 正当な理由なく勤務先へ電話や訪問をしたり、FAX等を送るそれらの行為
  • 債務者から退去するよう求められた場合に退去しないこと
  • 張り紙等で近隣住民にも借金の事実がわかる状態にすること
  • 友人や家族などからお金を借りてでも返済を求めること
  • 債務者本人に代わって弁済を求めること
  • 債務者の家族等が債務者本人の所在を明らかにしないと言っているにも関わらず、協力を強制すること
  • 弁護士や司法書士に債務の整理を依頼したあとに、直接債務者に連絡を取ること
  • 上記いずれかに該当することを「行う」と告げること

参考:貸金業法|第21条(取り立て行為の規制)

貸金業法では、上記のような取り立て行為を厳しく制限しています。しかし、個人や個人を装った違法業者への返済が滞れば、上記に抵触する違法な取り立てが行われる可能性があります。

たとえば、職場に「金を返せ」といったFAXが大量に送られてきた事例(日本貸金業協会)や、個人情報をネットで晒されてしまう事例(政府広報オンライン)も過去にありました。このようなことが起こると、債務者本人の社会生活にも大きな影響を及ぼすため、十分気を付けなければなりません。

参考:日本貸金業協会|被害の実例
参考:政府広報オンライン|新たな手口のヤミ金融に注意!

安全にお金を借りるための方法

安全にお金を借りるためには、相手が信用できるか確認することが大切です。SNSなどを介して「融資を行います」と謳っている場合には、特に注意しましょう。

金融庁も、SNSを介した個人間融資は注意するよう警告(金融庁|SNS等を利用した「個人間融資」にご注意ください!)しています。個人間融資は、法律に抵触するのみならず、違法な取り立てや嫌がらせなどのリスクもあるのです。

そのため、安易にSNSなどで借入するのではなく、まずは貸金業登録を行っている金融機関からの借入を検討するようにしてください。

貸金業登録を行っている金融機関からお金を借りる

安全にお金を借りるためには、必ず貸金業登録を行っている業者から借入してください。資金の貸付を本業として行う場合は、必ず貸金業登録が必要であるため、貸金業無登録=違法業者と判断できるでしょう。

貸金業登録の確認は、金融庁が提供する「登録貸金業者情報検索サービス」で確認できます。

また、個人や違法業者の中には、実際に貸金業登録を得ている業者を名乗ったり、似た名前を使用したりする場合もあるため、注意してください。違法業者は日本貸金業協会の「ヤミ金の実例検索」で確認できます。

少しでも怪しいと感じた場合は、必ず確認を行った上で専門家に相談をするなど、安易に手を出さないよう心掛けてください。

監修者コメント

高橋 孝治

賃金業務取扱主任者 みんなのモビット担当

「審査なし」や「誰にでも貸します」のような事を謳っている金融機関は、違法な闇金業者である可能性が高く、関わって良い事は1つもありません。金融庁の公式サイトなどを参考に、認可を受けている正規の金融機関での借入を検討しましょう。

まとめ

借入の際は、SMBCモビットにご相談ください

個人間融資は貸金業法等に抵触する可能性があり、借入をしてしまうと、法外な利息や違法な取り立てを受ける可能性があるため注意してください。

個人間融資は、金融庁や貸金業協会でも注意喚起しており、避けるべきです。安全に借入をするためには、まずは貸金業登録を行っている消費者金融などからの借入を検討してください。