カードローンの審査に通らない理由は?落ちたときの対処法も解説

この記事の監修者
高橋 孝治
貸金業務取扱主任者有資格者・国会議員政策担当秘書有資格者・法学博士
みんなのモビット担当
貸金業務取扱主任者の資格を保有する金融領域に関しての専門家。専門知識を活かしマネーに関するあらゆる相談に対応。また、金融の資格に加え、行政書士や特定社労士の資格も保有し、「法学博士」取得の法学研究者でもある。多岐にわたる知見を活かしあらゆる法律を研究するなど活躍中。
カードローンの審査に通らない理由は、返済能力の有無や信用情報に関する問題、各社の申込条件を満たしていないことなどが考えられます。
しかし、審査に通らない理由は、カードローン会社から具体的に開示されるわけではないため、原因を詳細に把握することは困難であり、不安に感じるかもしれません。
この記事では、カードローンの審査に通らない主な理由や、審査に通るための対処法について解説します。
コラムの目次
カードローンの審査に通らない主な理由
カードローンの審査に通らない原因を明確に知ることはできません。ただし、借りたお金を返済できるかどうかが重要となることを踏まえると、審査に落ちる理由はある程度把握できます。

カードローンの申込条件を満たしていない
カードローン審査に通らない理由として、そもそも申込条件を満たしていないことが挙げられます。たとえば、SMBCモビットの申込条件は以下のとおりです。

20歳未満の方や75歳以上の方は、SMBCモビットをご利用いただけません。年齢条件はカードローン会社によって異なるため、あらかじめ確認しましょう。
また、基本的に多くのカードローンは、「安定した収入があること」を申込条件として定めています。
「安定した収入」の基準は金融機関によって異なるため、正確に把握することはできませんが、短期間での転職や、日雇いのアルバイトを繰り返している場合は、「収入が安定していない」と判断されてしまう可能性があります。
借入件数や金額が多い
他社からの「借入件数」が多いと、多重債務に陥るリスクがあるのではとの懸念などから審査に落ちてしまう可能性があります。多重債務とは、複数社から借入し、返済のために借金を重ねて返済困難になった状態のことです。
ただし、「○社以上から借りていると審査に通らない」という一律の基準が設けられているわけではありません。
また、消費者金融などからの借入が年収の3分の1を超える場合は、総量規制に抵触するため、基本的にローンの審査には通りません。
- 総量規制
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消費者金融やクレジットカード会社などを対象に設けられている法制度の1つです。返済能力を超えた過剰な貸付から消費者を守るために、「年収の3分の1を超える貸付の原則禁止」を定めています。
なお、住宅ローンやマイカーローン、銀行のカードローンなどは総量規制の対象外です。ただし、総量規制が適用されるかどうかにかかわらず、返済能力を超える借入はできません。
信用情報に問題がある
信用情報機関に異動情報が登録されている場合は、カードローンの審査に通らない可能性が高くなります。
- 信用情報
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クレジットカードやローンの申込、利用状況等に関する情報を指します。金融機関や信用情報機関によって管理され、貸付審査や信用評価に利用されます。
- 異動情報
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ローン商品や分割払いの返済に対して、長期間の滞納または、債務整理や破産してしまった状態のことです。信用情報機関にネガティブな情報として一定期間登録されます。この情報のことを異動という場合もあります。

たとえば、過去にローンの返済やクレジットカード、スマートフォンの割賦料金などの支払いを一定期間滞納した経験がある場合は要注意です。
心当たりがあり、自分の信用情報を知っておきたい場合には、信用情報機関に情報開示を請求しましょう。ただし、開示までに時間がかかったり、費用が必要になったりすることもありますので注意してください。
在籍確認が取れない
在籍確認が取れないと、申込者本人が申告どおりに勤めていることを確かめられないため、審査を完了させられません。
- 在籍確認
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申込者が申告された勤務先で実際に在籍しているかどうかを確認する手続きです。審査の一環であり、返済能力の確認はもちろん、本人確認のためにおこなわれます。
たとえば、以下のようなケースが考えられます。
在籍確認が取れないケースの例
- 勤務先に電話がつながらない
- 電話応答者が申込者の在籍を把握していない
- 勤務先がプライバシー保護の目的で在籍確認に対応してくれない
- 勤務先に在籍している証明となる書類が提出できない
申込の際は、勤務先の電話番号に間違いがないかよく確認しましょう。
SMBCモビットはWEB完結なら原則として電話での在籍確認なし
電話での在籍確認を実施しないカードローンを選べば、勤務先に連絡がつかない状況を未然に防げます。
SMBCモビットでは、WEB完結なら原則としてご自宅や勤務先へ確認のご連絡はおこなっておりません。※
※お客様の状況により希望に添えない場合があります。
- WEB完結
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申込から契約、借入まですべての手続きをWEB上で完結できるサービスを指します。お手持ちのスマートフォンで手続きが完結するため、店舗への来店が不要です。また郵送物が発送されないというメリットがあります。
虚偽の申告をした
申告内容に虚偽の内容があると、基本的に審査には進みません。
勤務先の電話番号や住所の記入ミスであれば、申告内容を修正すれば審査に影響は出ないでしょう。しかし、雇用形態や勤務先、年収などの内容が違う場合は虚偽の申告をしたと判断される可能性があります。
カードローン会社は、収入証明書類や信用情報機関などを通じて申込者の年収や他社の借入状況を把握できるため、虚偽の申告は審査の過程で判明してしまいます。
意図的ではなくても、虚偽の申告かどうかを判断できなければ審査に落ちてしまう可能性も考えられます。申込の際は、申告内容に誤りがないかどうかを十分に確認しましょう。
カードローンの審査に通らないときの対処法
詳しい審査基準は開示されていないため、対策をしても審査に落ちてしまうことがあります。カードローンの審査に通らなかった場合は、以下の対処法を検討しましょう。

収入を上げる
カードローンの審査に通らない原因が収入面にあると考えられる場合、収入が増えると状況が変わるかもしれません。
昇進試験を受ける、副業を始めるなど、収入が増えるような取り組みを検討してみましょう。
審査に通らない原因を解決する
審査に落ちた理由によっては、そのまま他社に申込しても同じ結果になる可能性があります。審査に落ちてしまったら、その原因を考えたうえで対策をしましょう。
たとえば、年収に対する借入額が多いことが原因で審査に落ちたと考えられる場合は、借入を減らせば結果が変わる可能性があります。
ただし、信用情報に異動情報が登録されている場合は、すぐに取り組める対策がなかなかありません。滞納している借金を完済し、異動情報が消えるまで待つなど、ある程度の時間が必要です。
他社への申込も検討する
審査に通らない場合、申込先を変えれば契約できる可能性があります。カードローンの審査基準は、カードローン会社によって異なるためです。
ただし、約6カ月間は信用情報機関に申込履歴が残るため、期間を空けて申込するのが望ましいでしょう。
なお、年収の3分の1を超える借入があるなど、審査に通らなかった理由によっては、申込先を変えても審査に通過するのが難しいでしょう。
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審査が不安な方は、申込前にお借入診断を利用しましょう。SMBCモビットでは、借入が可能かどうかを診断できる「お借入診断」を提供しています。
年齢・年収・他社借入金額の3つを入力するだけで診断できるため、ぜひご活用ください。※
※お借入診断において算出される結果は、簡易的なものであり、結果を保証するものではありません。
カードローン以外の方法でお金を用意する方法
カードローンの審査に通らず、なおかつ収入を上げるなどの解決方法も難しい場合があります。
そのようなときは、カードローン以外の方法でお金を借りることも検討してみてください。
カードローン以外でお金を用意する方法
- クレジットカードのキャッシング枠で借りる
- 給料の前借りを申請する
- 生命保険の契約者貸付制度で借りる
- 質屋でお金を借りる
- 親・親族・知人から借りる
クレジットカードのキャッシング枠で借りる

クレジットカードには、ショッピング枠とキャッシング枠が設けられています。クレジットカードを作成した際に、それぞれの枠について利用限度額が設定されます。
- 利用限度額
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借入契約において、利用できる上限金額のことを指します。利用限度額は、個人の収入や信用情報などに基づいて設定され、変動する場合もあります。利用限度額を超えて利用することはできませんので、注意が必要です。
キャッシング枠を利用すると、ATMなどを利用して利用限度額の範囲内でお金を借りることができます。
キャッシング枠の返済は、ショッピング枠の利用代金と同時に引き落とされる、もしくはATMや振込などでおこないます。
なお、クレジットカードの中には最初からキャッシングの枠が付帯されていない場合もあります。その際はキャッシング枠を申込し、審査を受ける必要があるため注意しましょう。
給料の前借りを申請する
結婚や出産、病気、災害などの事情がある場合は、勤務先に申請すれば、すでに働いた分の給料を給料日前に受け取れる可能性があります。
給料の前借りについては、厚生労働省が以下のように回答しています。
労働基準法第25条には非常時(出産、結婚、病気、災害等)について、給料日前でも給料を払うように定めています。
厚生労働省「労働基準法に関するQ&A」
しかし、この条文で定めているのは、既に行った労働に対して給料日前でも支払うように定めているのであって、これから行う予定の労働に対して給料を払うように求めているものではありません。従って、前借りに応じる義務はありません。
すなわち、非常時であれば給料日より前に給料の支払いを受けることはできますが、働いていない分の給料を「前借り」することは難しいでしょう。
なお、前借りの制度を導入している会社では、非常時でなくてもすでに働いた分の給料を給料日前に受け取れる可能性があります。
前借り制度とは、会社が実施する福利厚生のひとつで、働いた分の一部を必要なときに受け取れる制度です。利用したい方は、勤務先で導入されているかどうかを確認しましょう。
生命保険の契約者貸付制度で借りる
生命保険の契約者貸付制度を利用し、保険会社からお金を借りる方法もあります。
生命保険の中には、定期保険のように保険料が戻ってこない「かけ捨て」タイプと、解約時に保険料の一部が返戻される「積立型」のタイプがあります。
契約者貸付制度では、積立型の生命保険を解約した際に戻ってくる解約返戻金を担保として、その金額のうち一定の割合での借入が可能です。
- 解約返戻金
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生命保険や貯蓄型保険などの保険契約を途中で解約した時に受け取れる返金額を指します。契約年数や契約内容、支払済みの保険料などによって受け取る金額は異なります。
解約返戻金のない保険では利用できないため、事前に確認しましょう。
質屋でお金を借りる

質屋では、品物を質入れすることでその品物を担保にお金を借りることができます。
期日までに返済できれば品物は返還されますが、返済できなければ「質流れ品」としてその品物は質屋の所有になります。
借入金を返済できなくても、品物が返ってこなくてもよいなら返済する義務はありません。
一方で、そもそも市場価値があるような物品(ブランド品や高価な電化製品など)を保有していなければ利用できないというデメリットもあります。
親・親族・知人から借りる
親や親族、親しい知人などに依頼してお金を借りることもひとつの方法です。その際は返済期間など返済計画について誠実に説明し、納得してもらう必要があるでしょう。
計画通りに返済できなければ関係が悪化してしまうこともあるため、依頼すべきかどうかを慎重に判断する必要があります。また、お金の無心をしていると周囲に知られてしまうと、自らの信用を低下させてしまう可能性がある点にも注意が必要です。
もし、親しい人からお金を借りる際は、借用書を交わしておくと安心です。
借用書とは、借主と貸主の間で金銭や物品の貸し借りがあった事実を証明する書類のことです。借入額や返済方法が明記されているので、返済にあたって貸主とのトラブルを未然に防ぐことが期待できます。
よくある質問
Q.一度審査に落ちたカードローンに再申込しても大丈夫ですか?
A.カードローンに通らなかった原因によります。
カードローンに通らなかった原因が改善されなければ、審査に通る可能性は低いと考えられます。
たとえば、信用情報機関に異動情報が登録されている状態で再申込しても、同じ結果になる可能性が高いでしょう。
カードローンによって審査基準は異なるため、同じ商品ではなく別のカードローンの申込を検討することも選択肢のひとつとなります。
- 申込履歴は一定期間残る
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ローンなどの申込履歴は信用情報機関に一定期間掲載されます。そのため、短期間で複数回の申込を繰り返すと、審査上マイナス評価になる可能性もあるので注意してください。
Q.審査に通りやすいカードローンはありますか?
A.各社で厳正な審査をしています。
インターネット上で、特定のカードローンに関する審査の甘さや通りやすさを指摘する情報も見られますが、どのカードローン会社も法律にしたがって厳正に審査をしています。
また、カードローン会社は詳しい審査基準を開示していないため、「A社はB社よりも通りやすい」などの比較はできません。
Q.審査に通らない理由を調べる方法はありますか?
A.確実に原因を追求することは難しいですが、調べる方法はあります。
審査に通らなった原因を調べるひとつの方法として、自身の信用情報について情報開示をすることができます。手数料などの費用が発生する場合もあるため、各信用情報機関に確認してください。
信用情報に異動情報が記録されていると、それが審査落ちの原因である可能性が高いといえます。
Q.雇用形態がアルバイトやパートだと審査に落ちますか?
A.申込者個別の状況により対応は異なります。
カードローンの審査ではさまざまな項目が調査され、返済能力があるかどうかが総合的に判断されます。そのため、雇用形態だけで審査結果が決まるわけではありません。
アルバイトやパートタイムでも、安定した収入があると判断されれば借入できる可能性があります。
一方、正社員であっても転職して間もない、頻繁に転職を繰り返しているなどで安定した収入がないとみなされると、審査に落ちてしまうこともあるでしょう。
ローン審査が不安な方はSMBCモビットの「お借入診断」をご利用ください
カードローンの審査に落ちた理由は開示されないため、詳細を把握するのは困難です。
ただし、原因を推測し、その問題を解決できれば、カードローンの審査に通る可能性を高められるでしょう。
審査に通過できるか不安に感じている場合には、SMBCモビットの「お借入診断」をご利用ください。「お借入診断」では、借入が可能かどうかを簡易的に診断できます。※
なお、SMBCモビットにお申込いただけるのは、満20歳〜74歳で安定した収入のある方です。パート・アルバイトや派遣社員、自営業の方も申込できるため、ぜひご検討ください。
※お借入診断において算出される結果は、簡易的なものであり、結果を保証するものではありません。
監修者コメント
高橋 孝治
賃金業務取扱主任者 みんなのモビット担当
貸金業者は、法令を遵守した厳正な審査を実施することが義務付けられています。そのため、返済能力に不安がある方に融資をすることはできません。審査に通らなかった場合でも、カードローンに固執することなく、あらゆる方法を検討してみてください。