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審査なしで借入できる金融機関はない|借入や審査における基準や注意点も解説

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この記事の監修者

荒井 美亜

貸金業務取扱主任者、2級FP技能士、税理士科目合格者、日商簿記1級、全経簿記能力検定上級

みんなのモビット担当

立教大学経済学部卒、立教大学大学院経済学研究科修了(会計学修士)。出版社、Webマーケティングの会社に従事する中で様々な金融関連の資格を取得。クレジットカードやファクタリングの知識も持ち合わせ、お客様からマネー相談を受けた経験も多数。

審査をすることなく借入ができる金融機関は存在しません。貸し付けをする際には、必ず顧客の返済能力を調査(審査)するように義務付けられているためです。もし、「審査なしで借入可能」といった貸金業者がいた場合は、違法業者であるため申込は避けたほうがよいでしょう。

この記事では、審査なしでお金を借りられない理由について解説します。

審査なしで借入できる金融機関は存在しない

審査なしでお金を借りられる金融機関は存在しませんなぜなら、貸金業法という法律によって、「お金を貸し付ける場合は、顧客の返済能力を調査しなければいけない」と定められているためです。

誤解させる表記の禁止

もし、「審査なし」と謳っている貸金業者などがいた場合は、違法業者である可能性が高いため、絶対に申込をしたり個人情報を伝えたりしないでください。まずは、なぜ「審査なし」での貸し付けができないのか、審査なしと謳っている貸金業者等はなぜ存在するのか、について解説します。

貸金業者は「返済能力調査」が義務付けられている

お金を貸す業務をしており、財務局又は都道府県に登録をしている業者のことを、「貸金業者」といいます。貸金業者は、貸金業法等の様々な法律のもとで営業をおこなっています。そして、貸金業法では顧客にお金を貸し付ける場合には、以下の調査をしなければならないと定めています。

返済能力調査の内容

  • 収入・収益・その他資力
  • 信用情報
  • 借入状況
  • 返済計画、その他返済能力に関する事項

参考:貸金業法|第13条(返済能力の調査)

つまり、貸金業者は顧客の返済能力などを調査(審査)する義務があるということです。

「審査なし」と謳っている貸金業者は違法

貸金業者がお金を貸し付ける場合は、必ず審査をしなければいけないのは前述の通りです。つまり、「審査なし」で営業をしている場合は、貸金業法に違反していることになります。

貸金業者が貸金業法に違反して営業をすると、営業停止命令や営業許可の取り消し、その他懲役刑や罰金刑といった行政処分や刑罰を受ける可能性があります。

そのため、「審査なし」と謳っている業者がいた場合は、違法業者であると判断してよいです。万が一、違法業者からお金を借りてしまった場合、法外な利息の請求や嫌がらせ等を受ける可能性があります。

思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があるため、「審査なし」と謳っている違法業者からの借入は絶対に避けるべきです。また、安易に申込をしたり個人情報を渡したりしないほうがよいでしょう。

監修者コメント

荒井 美亜

賃金業務取扱主任者 みんなのモビット担当

健全な貸金業者かどうか確かめるために、金融庁の公式ホームページにある「登録貸金業者情報検索入力」機能を使いましょう。貸金業をおこなうには、金融庁に申告して登録しなければいけません。つまり、登録貸金業者情報の検索をして、出てこない貸金業者は違法ということになるのです。

借入時に審査を実施する3つの理由

借入時に審査をする理由

  • 総量規制の範囲内であることを確認するため
  • 申込者の返済能力を判断するため
  • 貸倒リスクを判断するため

総量規制の範囲内であることを確認するため

貸金業法では、貸金業者からの過度な貸し付けによる多重債務などを防止するために、年収の3分の1を超える貸し付けを禁止しています。この制度を「総量規制」といいます。総量規制の枠内に収まっているかどうかを判断するために、貸金業者は実際に顧客の年収がいくらなのか、他社からいくらの借入があるのかは調査(審査)をしなければわかりません。

そのため、顧客に対して収入証明書類の提出を求めたり、職場への在籍確認を実施したり、他社借入状況を調査したりします。

総量規制の詳細

申込者の返済能力を判断するため

貸金業法では、顧客の返済能力を調査する義務があります。そのため、顧客の就業状況や年収、他社借入情報などを総合的に判断して、融資の可否を決定します。

一般的にみて明らかに返済能力のない方に対して、お金を貸し付ける行為は貸金業法違反となります。返済能力の有無は、貸し付けをする貸金業者側が審査を元に判断しなければなりません。そのため、様々な情報をもとに慎重に審査がおこなわれます。

貸倒リスクを判断するため

貸金業者は貸し付けた資金が返済されなければ、大きな損失を被ってしまいます。このような貸倒リスクを少しでも回避するために、顧客の返済能力等を審査しています。

例えば、返済能力は十分な方であっても、信用情報を確認すると過去に何度も延滞を繰り返しているような場合、「貸したお金が返ってこないのではないか?」と懸念されます。その結果、審査が通らない場合があります。

貸し倒れ

売掛金や貸付金などの債権が、倒産などの理由で回収できず損失となる状態を指します。

審査が不安と感じた場合の対処法

審査に自信がない場合の対処法

  • 借入金額・借入件数を減らす
  • 事前にお借入診断を受ける

借入金額・借入件数を減らす

すでに他社借入があり「審査に通らないのではないか?」と不安を抱えている方は、現在の借入件数と借入金額を改めて確認してみましょう。可能であれば、現時点での借入件数と借入残高を減らしておく方法が得策です。

また、複数の借金をひとつにまとめるローン商品(おまとめローン)もあるため、合わせて利用を検討してみてください。

事前にお借入診断を受ける

審査が不安な方は、通常の申込をする前に、お借入診断を受けてみてはいかがでしょうか。

お借入診断では、いくつかの簡単な質問にお答えいただくだけで融資可能かどうかを簡易的に判断します。診断結果で「ご融資可能と思われます」と出た場合は、借りられる可能性が高いと考えて問題ありません。

なお、診断結果で「ご融資可能と思われます」と出た場合であっても、本審査の結果次第では借入できない可能性もあるため注意してください。

金融機関以外での貸付制度

金融機関以外の貸付制度

  • 社会福祉資金貸付制度
  • 保険の契約者貸付制度

社会福祉資金貸付制度

社会福祉資金貸付制度は、国がおこなっている貸付制度です。審査はおこなわれるものの、金融機関などとは異なる基準で審査をするため、借入できる可能性があります。

本制度を利用するためには、細かな条件はありますが基本的に「他からの借入が難しく、経済的に困窮している方」が対象です。借入できる金額や金利、条件などは貸付制度によっても異なります。

社会福祉資金貸付制度の利用を検討している方は、お住まいの地域にある社会福祉協議会へご相談ください。一般的には、市区町村役場に併設されています。

保険の契約者貸付制度

契約者貸付の仕組み

契約者貸付制度は、解約返戻金のある保険契約を持っている方が利用できます。貸付金の元は、契約者の解約返戻金であるため、審査はおこなわれません。

借入できる金額は、解約返戻金の7割〜8割程度が限度です。借入までに要する日数は、保険会社によって異なるものの、1営業日〜5営業日としているところが大半です。

契約者貸付制度を利用後、万が一返済できなくなった場合、保険契約は失効しますが、督促などを受けることはないため、返済に不安がある方も利用しやすい制度です。

よくある質問

Q.クレジットカードのキャッシング枠は審査なしですか?

A.新たにキャッシング枠を設ける場合は審査がおこなわれます。

クレジットカードはショッピング枠とキャッシング枠の2つの枠が設定可能です。前者は、クレジットカード本来の枠ですが、サービスの一環としてキャッシング枠を提供しているカード会社も多くあります。

クレジットカード申込時に同時にキャッシング枠の申込も可能であることから、「キャッシング枠については審査がないのではないか?」と勘違いしやすいですが、実際はショッピング枠・キャッシング枠それぞれで審査がおこなわれています。

よって、現在所有しているクレジットカードにキャッシング枠を追加する場合は、その枠を追加するための審査が必ずおこなわれます。

現在持っているクレジットカードでキャッシング枠がついている場合は、改めて審査をする必要はありません。なぜなら、申込時にキャッシング枠の審査もおこなわれているためです。

Q.「審査なし」と謳う業者に申込をしてしまいました。どうなりますか?

A.違法業者である場合は必要以上に関わらないこと、状況に応じて専門家へ相談をしてください。

借入を申込む際、不安に感じたらまずは申込をした業者が貸金業法に違反しているかどうかを確認してください。貸金業登録有無は、金融庁の「登録貸金業者情報検索入力ページ」から確認できます。

申込をした業者名や電話番号等、わかる範囲ですべて入力して確認してください。万が一、貸金業登録を確認できなかった場合は、違法業者です。これ以上、絶対に関わってはいけません。

今後、申込内容の確認を求める電話などがかかってくる場合もありますが、基本的には無視して問題ありません。もし、何度も着信が入ったり「申込後のキャンセルは不可能」と言われたりした場合は、消費生活センター(♯188)や警察、弁護士などの専門家へ相談をしてください。

Q.金融機関以外で審査なしでお金を借りられる方法はありますか?

A.金融機関以外の場合、契約者貸付制度や預金担保自動貸付などの貸付制度があります。

審査なしでお金を借りられる方法は以下のとおりです。

審査なしで借りられる方法

  • 契約者貸付制度
  • 預金担保自動貸付

契約者貸付制度とは、解約返戻金のある保険契約を持っている場合に利用できる制度です。解約返戻金を担保として貸し付けをするため、貸金業者等と同じような審査はおこなわれません。仮に返済ができなくなっても、保険契約の失効によって終了します。

預金担保自動貸し付けとは、ゆうちょ銀行がおこなっているサービスであり、定期預貯金を担保としてお金を借りられます。基本的に、預入金額の90%を上限として借入が可能です。ゆうちょ銀行以外でも、同様のサービスを提供している金融機関もありますので、各金融機関のサービスを確認してください。

その他、貸金業者と異なる審査をおこなっている貸付制度として、「生活福祉資金貸付制度」があります。この制度は国でおこなっている貸付制度であり、経済的に困窮している方が対象です。

貸金業者等は、返済能力の有無が審査に影響を与えますが、生活福祉資金貸付制度の場合は全く別の視点で審査をおこないます。「会社からの解雇、休業等により緊急かつ一時的に生計の維持が困難」と判断された場合に貸付を受けることができる制度となります。

そのため、経済的に困窮していて貸金業者からの借入が難しい方は、生活福祉資金貸付制度の利用をご検討ください。

Q.審査が甘いカードローンはありますか?

A.審査が甘い・ゆるいといったカードローンは存在しません。

審査基準は、各金融機関によって異なるため「A社の審査は落ちたけどB社の審査は通った」ということはあり得ます。

上記の経験をした方などは「B社の審査基準は甘い・ゆるい」などと感じるケースはありますが、あくまでも申込者が金融機関Bの審査基準を満たしていただけです。

もし、「審査が甘い・ゆるい」と謳って集客している業者がいた場合は、違法業者である可能性が高いため、絶対に申込をしないでください。

審査が不安な方はSMBCモビットの「お借入診断」をご利用ください

借入時におこなわれる「審査」は、申込者の返済能力や信用情報を確認するために必ず実施されるものであり、貸金業法によって義務付けられています。そのため、「審査なし」での借入は不可能であり、仮に「審査なしで融資可能」と謳っているところがあれば、それは違法業者です。

これから借入を検討している方で、審査に不安を感じている方は、SMBCモビットの「お借入診断」をご利用ください。この診断は簡易審査であり、簡単な情報を入力していただくことで、借入可否が判断されます。

お借入診断の結果、「ご融資可能と思われます」と出た場合は、SMBCモビットのカードローンを利用できる可能性があります。まずは、お借入診断から簡単な審査をしてみてはいかがでしょうか。