他社借入があっても借りられる|借入方法と審査への影響を解説
この記事の監修者
高橋 孝治
貸金業務取扱主任者有資格者・国会議員政策担当秘書有資格者・法学博士
みんなのモビット担当
貸金業務取扱主任者の資格を保有する金融領域に関しての専門家。専門知識を活かしマネーに関するあらゆる相談に対応。また、金融の資格に加え、行政書士や特定社労士の資格も保有し、「法学博士」取得の法学研究者でもある。多岐にわたる知見を活かしあらゆる法律を研究するなど活躍中。
他社借入があるため、新たな借入をしたくても審査が不安で行動に移せないという人も多いのではないでしょうか。しかし、実際には他社借入があっても新たな借入ができる場合もあります。
審査では他社借入件数や他社借入金額などの情報を含め総合的に判断されることになりますが、「他社に借入がある」からといって、必ずしも審査が通らないというわけではありません。
今回は、他社借入があっても新たな借入ができるのかどうか、申込する際に注意すべき点などを解説します。
他社からの借入があってもお金は借りられる
先にも触れた通り、他社からの借入があっても、基本的には新たにお金を借りることは可能です。
しかし、借入件数が多い場合や合計借入金額が多い場合は、審査の過程で、これ以上の返済は困難なのではないかと判断されるなど、審査にマイナスの影響を与える可能性があります。
まずは、他社借入がある場合における借入の可否や、そのような結果に至る背景について解説します。
カードローンを多重で借入している人の実態とは
株式会社日本信用情報機構(JICC)のデータによると、複数社(2社以上)からの借入がある人は、約359万人です。これは総利用者数の約35%となっており、約3人に1人が複数社からの借入があることになります。
この数字からもわかるように、実際には他社借入があっても新たに借入することは可能であるといえます。
参考:JICC(株式会社日本信用情報機構)|信用情報に関する統計
借入件数に上限は設けられていない
借入条件の中に「◯件以上の借入がある方は申込不可」などのような、借入件数に上限が設けられていることはほとんどありません。
しかし、他社借入件数が多く、返済能力がない、もしくは低いと判断された場合、審査に通らないこともあります。そのため、他社借入があっても新たな借入が可能かどうかは、実際に審査を受けてみなければわかりません。
借入合計額が年収の1/3を超えた場合は借入できない
他社借入の合計金額が年収の1/3を超えている場合は、新たな借入はできません。
たとえば、年収300万円の人がA社・B社からそれぞれ50万円ずつ、合計100万円借りている状況で、新たにC社へ申込をしても借入はできません。なぜなら、貸金業法によって定められた総量規制というルールにしたがって、年収の1/3を超える貸付が禁止されているためです。
- 総量規制
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消費者金融やクレジットカード会社などを対象に設けられている法制度の1つです。返済能力を超えた過剰な貸付から消費者を守るために、「年収の3分の1を超える貸付の原則禁止」を定めています。
総量規制は、借入件数ではなく借入金額で決まります。そのため、A・B・C社からそれぞれ30万円ずつ合計90万円借りているような場合は、D社に申込をして10万円借りられる可能性があります。
「他社借入」に含まれるものと含まれないものがある
お金を借りるために金融機関へ申込をする際、「他社借入状況」の申告が求められます。この「他社借入状況」として申告するべき金額は、実際に借入している金額です。たとえば、カードローンによる借入金やクレジットカードのキャッシングが該当します。
一方、クレジットカードのショッピング枠や各種ローン(自動車ローンや住宅ローン)は総量規制の対象ではありません。
たとえば、消費者金融から30万円の借入があり、クレジットカードでのショッピング枠において30万円の利用がある場合、他社借入として総量規制の対象となるのは消費者金融から借入している30万円のみとなります。
しかしながら、返済能力は総合的に見られるため、総量規制対象外の借入は1つの判断材料となる程度で覚えておきましょう。
ちなみに、カードローン会社によっては、各種ローンも含めて申請しなければならないところもあります。実際にどの程度申告するかは、カードローン会社にお問い合わせください。
複数社からお金を借りる場合の注意点
複数社からお金を借りる場合は、上記の3点に注意してください。
1.利息が高額になる場合も
他社借入がある中で新たな借入先を増やすと、金利が高く設定される場合もあり、支払う利息金額も高額になります。
金利は、利息制限法により貸金業者1社あたりの借入金額に応じて以下の通りに定められているため、同じ金額を借入していたとしても、複数の業者から少しずつ借入していた場合、まとめて1社から借入するよりも金利が高くなる傾向にあります。
借入金額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年率20.0% |
10万円以上100万円未満 | 年率18.0% |
100万円以上 | 年率15.0% |
- 利息の計算式
-
利息=借入残高(元金)×金利(年率)÷365日(うるう年の場合は366日)×返済日までの利用日数
仮に、A社から50万円の借入があり、新たにB社から50万円借りようとしている場合、それぞれで上限金利18.0%が適用される可能性があります。つまり、合計100万円の借入金に対して、それぞれ上限の18.0%の金利が適用される可能性があります。
一方、1社のみから100万円を借りた場合、上限金利は15.0%となっているため、金利がそれ以上になることはありません。
仮に、30日間100万円を借りていたとしましょう。このとき、金利18.0%が適用されると利息金額は「14,794円」です。しかし、15.0%の場合は「12,328円」で済みます。その差は2,466円です。
そのため、借入金額や適用金利によっては、他社借入がある状態で新たな借入先を増やすのは、利息負担の面で不利益を被る可能性があります。
2.返済管理が大変になる
複数社からお金を借りることによって、返済の管理は大変になります。各社により返済日は異なるため、ついうっかり返済日を忘れてしまうこともあるかもしれません。
また、返済日の都度手続きが必要です。返済の際に振込手数料などが必要な場合は、その分の手間や費用が発生してしまいます。
仮に、毎月コンビニATMで返済をしていた場合、110円〜220円程度の手数料を支払わなければいけません。2社からの借入があれば、2倍の手数料を支払うことになります。
借入件数が増えれば増えるほど、返済に伴うコストが増加するので注意が必要です。
監修者コメント
高橋 孝治
賃金業務取扱主任者 みんなのモビット担当
複数社から借入していると、返済日や返済額の管理がしづらく、うっかり返済が遅れてしまったり、完済までの期間に影響が出てしまう可能性があります。SMBCモビットでも提供している「おまとめローン」を検討するなどして、負担を軽減できるよう努めてみてください。
3.借入審査に影響を与える可能性がある
借入件数が多い場合は、申込時の審査に影響を与える可能性があります。ただ、実際に「◯件以上の借入があるとよくない」などといった、具体的な決まりはありません。
しかし、借入件数が多いと「他社からの借入金を返済するために、新たな借入先を探しているのではないか?」といわゆる自転車操業の状態であると疑念を持たれる可能性もあります。
そうなると、貸し付けた資金が確実に返済されると認められず、審査に通過できなくなってしまうでしょう。また、借入件数のみならず、借入額が多い場合も審査結果に影響を与えます。
4.一定の金額を超える借入を希望する場合は収入証明が必要
1社から50万円を超える、もしくは複数社から合計100万円を超える借入を希望する場合は、収入証明書類の提出が必要となります。収入証明書類は、主に以下のような書類を用意してください。
収入証明書類
- 源泉徴収票
- 給与明細書
- 確定申告書
- 所得証明書
たとえば、新たな申込において30万円の借入を希望したとしても、既存の借入額との合計額が100万円を上回る場合は、収入証明書類の提出が必要です。これらの書類を用意できない場合は、審査が進まず、新たな借入はできないため注意してください。
5.誰でも借りられると謳う業者は利用しない
新たな借入先を探す際に「誰でも借りられる」などと謳っている業者があった場合は、利用しないように心掛けてください。審査基準は各社により異なるものの、かならず審査が行われるため、誰でも借入できるような事実はありません。
このように、誰でも借入できるなど宣伝している業者は違法業者ですので、絶対に利用しないようにしてください。
新たな借入ができない時の対処法とは
新たな申込先で審査に通らなかった場合など、お金を借りることができなかった場合は、以下のような対処法を検討してください。
新たな借入ができないときの対処法
- 自身の信用情報を照会する
- 既存の借入先へ増額依頼をする
- クレジットカードでキャッシングする
- 複数社からの借入がある場合はおまとめローンを検討する
1.自身の信用情報を照会する
新たな借入ができない場合は、その原因を探るために自分自身の信用情報を照会するのも1つの方法です。
- 信用情報
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クレジットやローンの契約や申込、利用状況等に関する情報です。個人のお金に関する情報で、ローン契約の際には必ず確認されています。
過去に遅延をしたことがある場合は、信用情報にその履歴が登録されている可能性があります。延滞履歴は審査に悪影響を与える要因になります。
そのため、心当たりがあれば、信用情報の開示請求をして確認することで審査に通らない理由が明確になるかもしれません。
また、年収の1/3間際まで借入をしている場合は、それが原因かもしれません。総量規制により、カードローンでは年収の1/3を超える借入ができません。
- 総量規制
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消費者金融やクレジットカード会社などを対象に設けられている法制度の1つです。返済能力を超えた過剰な貸付から消費者を守るために、「年収の3分の1を超える貸付の原則禁止」を定めています。
2.既存の借入先へ増額依頼をする
他社で審査に通らない場合は、既存の借入先に対し利用限度額の増額を申請してみてはいかがでしょうか。既存のカードローンを適正に利用しているようであれば、増額できる可能性があります。
また、増額に伴い借入金利が下がることもあるため、既存の借入先における増額にはメリットが多いといえます。ただし、借入先が同一であっても総量規制の適用は受けるため、年収の1/3を超える借入はできない点に注意してください。
3.クレジットカードでキャッシングする
クレジットカードを保有している場合には、キャッシング枠が利用できる可能性があります。キャッシング枠はクレジットカード申込時に設定していれば、改めて審査を行わずにすぐに利用できます。
もし、キャッシング枠が付帯されていない場合は、改めて申込手続きを行い、審査を受ける必要があります。
なお、クレジットカードのショッピング枠は総量規制の対象外ですが、キャッシング枠は規制の対象となる点には注意が必要です。
- クレジットカードの利用は「借入」になるのか?
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クレジットカードを商品購入などの際に利用することは、「借入」ではありません。なぜなら、直接カード会社からお金を借りるわけではないからです。
4.複数社からの借入がある場合はおまとめローンも検討する
複数社からの借入がある場合は、おまとめローンを利用できる可能性があります。
複数の借入をまとめることで、適用金利が下がったり返済負担を軽減できたりするメリットがあります。
ただし、おまとめローンは特性上、借入を一括で行い、その後は返済に専念する商品です。
とはいえ、メリットを考慮すると新たに借入する必要性がないため、返済管理が大変に感じている方に向いています。
複数カードローンの利用履歴は信用情報機関に登録される
この登録された信用情報は、カードローンのみならず、以下のようなローンや割賦契約の審査時に照会され、審査の重要な判断材料とされます。
審査時に信用情報の照会が行われるローンや契約(例)
- 住宅ローンなどの目的ローン
- クレジットカード
- スマートフォンの割賦契約(スマートフォン端末の分割ローン)
参考:CICが保有する信用情報|CIC
参考:信用情報について|JICC
参考:全国銀行個人信用情報センター運用状況|全国銀行協会
複数のカードローンを利用しているという情報が、審査において必ずマイナス要因になるとは限りません。
しかし、複数カードローン利用時の「他社借入件数・借入総額」といった情報が、審査において「返済能力に不安がある」といった判断材料となるケースもあります。
複数のカードローン利用が、他のローンや割賦契約の審査に影響する可能性があることは、十分理解しておきましょう。
よくある質問
Q.他社の借入状況・返済状況は申告しなくてもわかりますか?
A.わかります。
他社の借入状況や返済状況はすべて、個人信用情報機関に記録されています。登録されている情報は、申込を受けた金融機関が確認できるため、申込者からの申告がなくても借入状況を把握できます。
Q.「他社借入」にローンやクレジットカードは含まれますか?
A.カードローン会社によって異なるため、注意書きをきちんと確認しましょう。
カードローンなどを申込する際に問われる「他社借入」は、カードローン会社により対応が異なります。そのため、申告前にカードローン会社に確認するのが望ましいです。
ちなみに、申告が必要ない場合はクレジットカードのキャッシング利用枠や、自動車ローンや住宅ローンなどの各種ローンは記載しなくても良いケースがあります。
ただし、クレジットカードでキャッシングを利用している場合は、申告しなければいけない可能性があるので注意してください。
Q.他社借入総額には実際の借入金額を申告すれば良いですか?
A.実際に借りている金額で問題ありません。
カードローンなどは「借入限度額」が設定されています。借入限度額とは、「この金額までなら融資します」という金額を指します。しかし、実際に借りている金額が借入限度額未満である人も多いでしょう。そのような場合は、借入限度額ではなく、実際に現在借入している残高を申告してください。
たとえば、A社の借入限度額が30万円で実際の借入金は10万円の場合、他社借入金額として申告するのは「10万円」となります。
まとめ
- 新たな借入はSMBCモビットをご検討ください
-
他社借入がある人でも、基本的に新たな借入は可能です。しかし、借入件数が多かったり借入金額が多かったりする場合は、審査にマイナスの影響が生じる可能性があります。とくに、年収の1/3を超える借入金がある場合は、新たな借入は難しいでしょう。
しかし、借入の総額が年収の1/3以下であれば、総量規制による借入限度額にまだ余裕があるため、借入件数に関わらず借入ができる可能性があります。
他社借入がある状態で、新たな業者からの借入を考えている方は、ぜひSMBCモビットのカードローンをご検討ください。また、借入件数や借入金額などにより審査に不安がある方は、事前に「お借入診断」をご利用ください。
「お借入診断」の結果、「ご融資可能と思われます」と表示された場合は、新たな借入ができる可能性があります。ぜひご活用ください。
監修者コメント
高橋 孝治
賃金業務取扱主任者 みんなのモビット担当
実際、すでに他社のローンを組んでいる状態でSMBCモビットへ新規申込をする方も多くいます。その場合は、すでに契約しているローンの金額と合算での審査となるため、不安な方は事前に「お借入診断」を試してみてください。